DEPARTMENT OF IMMUNOLOGY

H21年度発足 千葉大学COEスタートアッププログラム

「難治性疾患の革新的最先端治療TR拠点」

 H21より以下のメンバーでトランスレーショナルリサーチを推進するグループを立ち上げ、積極的に共同研究を行っております。千葉大学COEスタートアッププログラムに採択され、研究拠点形成を目指しております。興味のある方は是非ご連絡ください。
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メンバー

    本橋新一郎 : 医学薬学府先端生命科学専攻(免疫細胞医学)・准教授
             プログラムの総括
             癌免疫療法の開発

    中島裕史  : 医学薬学府先端生命科学専攻(遺伝子制御学)・教授
             気道アレルギ−(喘息)の病態解明と治療開発研究

    南野徹   : 医学部附属病院循環器内科・講師
             心血管疾患の新規治療の開発研究

    堀口茂俊  : 医学薬学府先進医療科学専攻(耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学)・講師
             鼻アレルギ−の治療開発研究・頭頸部悪性腫瘍に対する癌免疫療法の開発研究

    花岡英紀  : 医学部附属病院臨床試験部・診療教授
             質の高い臨床試験の推進のための実施体制構築

    佐藤泰憲  : 医学部附属病院臨床試験部・講師
             質の高い臨床試験の推進のための方法論およびデータ解析研究

研究目的

     発ガン機構や免疫疾患、循環器疾患の発症機構の解明が分子・遺伝子レベルで詳細に進み、動物実験による生体レベルでの解析結果から数多くの治療コンセプトが提示され、橋渡し研究(TR)が行われている。しかし多様性に富み個人差が著しいヒトにおいては、動物実験データからの単純な演繹は困難で、臨床研究を行うことでしか得られない“治療コンセプトの証明”を積み重ねていくことが重要である。そこで、癌・アレルギ−・心血管疾患に関する様々なシーズをもとに、医学部附属病院未来開拓センターを中心に、ヒトでの難治性疾患の制御を目指した探索的TRを積極的に行い、エビデンスを集積し、それらの結果をインテグレートして上記の難治性疾患に対する新たな治療コンセプトの提示を目指す。このサイクルを繰り返すことにより、難治性疾患に対するエビデンスに基づいた革新的治療法の開発研究を行うTR拠点を形成することを目的とする。

研究計画の概要

     平成20年度より開始されたグローバルCOEプログラム「免疫システム統御治療学の国際教育研究拠点」の事業推進担当者が所属する免疫発生学、循環病態医科学講座、耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座では、すでに未来開拓センターにてTRを精力的に推進している。本申請研究では、未来開拓センターを中心として、それぞれの専門性を十分生かして以下の研究を行い、難治性疾患に対するエビデンスに基づいた革新的治療法の開発研究を目指す。

    1)癌の免疫治療開発研究(本橋、堀口、花岡、佐藤)
     胸部、頭頸部悪性腫瘍を対象にして、NKT細胞免疫系を標的としたより強力な細胞療法の開発研究を行う。多様性のあるヒトでの免疫治療のため、予後予測などの出来るバイオマーカーの同定を行う。
     免疫発生学と耳鼻咽喉・頭頸部外科学とは平成15年より免疫細胞療法の臨床研究を共同で進めており、人的交流や定期的なカンファレンスを開催している。さらに平成21年4月より医学部附属病院臨床試験部を主体として、臨床試験に関する勉強会を開始している。これらの交流の成果として共同で先進医療への申請を行った。さらに実効性のある成果を協力して生み出すことを目指す。

    2)アレルギ−治療開発研究(中島、堀口、花岡、佐藤
     アレルギ−性気道炎症(上気道でのスギ花粉症、下気道での喘息等)の制御法をマウスモデルから開発し、臨床試験へとつなげる。
     平成20年より科(内科、耳鼻科、皮膚科、小児科)の枠を超えたアレルギ−クリニカルカンファレンスが年4回開催されている。

    3)心血管疾患の治療研究(南野、花岡、佐藤)
     これまでに末梢血単核球移植による血管再生治療の基礎研究から臨床応用まで行っている。本計画では本治療の有効性をさらに確認し、治療の標準化を行うため、重症虚血性心血管疾患症例に対して2重盲験試験を行うとともに、次世代の血管再生治療の開発を行う。